1. 株式会社アクタの企業概要と出展ブースコンセプト
株式会社アクタは、江戸時代の博多曲げ箱づくりを源流に持ち、昭和30年頃からプラスチック製食品容器の製造に取り組んできた老舗メーカーです。
折箱・弁当容器を中心に、“中身の価値を引き上げる容器”を一貫した開発思想として掲げています。
今回は、「SENSE(センス)」をテーマに、今後5年間を見据えた中長期の製品づくりの方向性を提示。
単なる新商品の展示に留まらず、「お客様にどのような価値を提供できるか」を起点に、こだわったブース作りで来場者の目を引いていたのも印象的でした。
2. 見どころ:見た目の付加価値と環境対応を両立する、アクタの2大提案
今回は、ブースの中でも注目の商品群を2つご紹介いただきました。
商品の見た目や売り場へ付加価値をつけることができる特徴的な商品です。
“ハイクオリティ”で魅せる、高付加価値弁当容器の世界
注目の1つは、「ハイクオリティ」をキーワードに集約された高級感あふれる弁当容器群です。
木製に見紛う質感や重厚感のあるデザインは、実はすべてプラスチック製。“プラスチックで、いかに木のような表情を出すか”というアクタの技術力と美意識が凝縮されています。
特に印象的だったのは、蓋の一部から中身が“チラ見え”する設計。うなぎ弁当や焼肉弁当など、単価の高いメニューを想定し、消費者が手に取った瞬間に「中身を確かめたくなる」仕掛けが随所に施されています。
また、これらの容器はパーツごとに分解した状態で保管・輸送でき、現場でワンタッチ組み立てが可能。
- 保管スペースを圧縮できる
- 輸送効率が高い
- 現場作業の負担を軽減できる
といった、省力化・省スペース化提案を可能にします。
環境配慮を“見える化”するリサイクルパネル「Recoボード」
もう一つの大きな見どころが、20年以上前から取り組んできたリサイクルパネル「Recoボード」です。
従来の紙貼りパネルとは異なり、ポリスチレン素材のみで構成し、フィルム貼り+ダイレクト印刷を採用。
これにより、使用後はそのまま粉砕・再溶融し、同じポリスチレン素材として“水平リサイクル”が可能となっています。
特に展示会用途では、
- 会期終了後に大量廃棄されがちなパネルを回収
- 工場に返送し、再びパネルとして再生
という循環モデルがすでに実用化されており、環境配慮と実務性を両立。印刷はフルカラー対応で、どんなデザインでもリサイクル可能という点も強みです。
今後は、展示会だけでなくスーパーの鮮魚・精肉・惣菜売り場の演出パネルなど、日常売り場への展開を強化予定とのこと。
売場作りの新しい提案として今後が楽しみな商品です。
3. 東罐興業株式会社の企業概要と出展ブースコンセプト
東罐興業株式会社は、紙コップを起点に、現在ではプラカップ、紙製食品容器、さらに長期保存が可能なラミコン容器まで、幅広い包装資材を手がける総合容器メーカーです。
今回は、「紙コップメーカー」という既存イメージにとどまらず、食品売場・イベント・外食提案で使える新たな選択肢を多数ご紹介されていました。
ブースでは、環境配慮・デザイン性・用途提案の3点を軸に、「売場で差別化できる容器」「話題性を生む容器」を中心に展示。
今後の展開が楽しみな"新しい提案"も多数ご紹介いただきました。
4. 見どころ:環境配慮×話題性 ― クラフト紙容器とアルミカップで広がる提案幅
今回は、「環境配慮×話題性」が特徴の2つのポイントをご紹介いただきました。
業界のトレンドを抑えることで、お客様への提案の幅も広がっていきそうです。
国産クラフト紙容器 ― 無地or印刷対応で広がる売場提案
1つ目の見どころは、国産クラフト素材を使用した紙製食品容器です。
もともとは無地仕様で展開していた製品ですが、現在は別注印刷にも対応可能となり、売場やブランドに合わせた提案ができる点が大きな強みです。
開発のきっかけは、「白ではなく、クラフト素材で容器を作れないか」という顧客からの要望。環境配慮やナチュラルな世界観を重視する流れを受け、量販店や大手コンビニでも採用が進んでいます。
想定メニューは、丼ものやスープ類など幅広く、耐水性・耐油性もしっかり確保。サイズは大・中・小の3サイズ展開で、メニュー構成に合わせた使い分けが可能です。
印刷についても、色数やデザインに大きな制限はなく、クラフト地ならではの色味の違いについても理想に近いものをお客様と一緒に考えていただけるとのこと。(ロットなど条件要相談)
売場でも目にすることが増えた"クラフト"。今後の伸びしろが楽しみです。
アルミカップ「ルミサス」 ― イベント・スポーツ用途で“記憶に残る容器”
2つ目の見どころは、グループ会社・東洋製罐で製造され、東罐興業が販売を担うアルミ製カップ「ルミサス」です。
最大の特長は、軽量性と独特の素材感。手に取った瞬間に紙やプラとは違う印象を与え、イベント会場やスポーツ観戦のシーンで高い存在感を発揮します。
スポーツチームやフェスのロゴを印刷した事例も多く、「使い捨て」ではなく「記念として持ち帰られる容器」として評価されている点が特徴です。実際に、持ち帰って洗浄し、再利用する来場者も多いとのこと。
実際の導入事例では、提供施設に回収場所を設け、回収後、リサイクルを行う循環の取り組みを行っている事例もあるとのこと。
熱伝導率が高いため、基本的にはコールドドリンク向けの提案が前提となります。冬が明けた春ごろから大活躍する、今話題のアルミカップ。目にする機会も増えていくのではないでしょうか。
当日は会場に、「アルミカップ専用洗浄機」と「カップ回収機」を設置。来場者が実際に体験できる仕組みに、「イメージが湧きやすい」と好評でした。

5. ヤンマーeスター株式会社の企業概要と出展ブースコンセプト
ヤンマーeスター株式会社は、ヤンマーグループの一員として「資源循環」を軸に事業展開する企業です。
食品残渣をはじめとした有機性廃棄物を、単なる廃棄対象ではなく“次の価値につなぐ資源”として捉え直し、循環型社会の実現を目指しています。
今回の展示では、食品廃棄物を24時間で堆肥化する業務用バイオコンポスター「ヤンマー バイオ式コンポスターYC100」を中心に展示。
「廃棄にお金をかけるのではなく、廃棄物を活かす」という明確なメッセージを掲げ、来場者が“実際に中身を見て理解できる”体験型ブース構成が印象的でした。
6. 見どころ:「本当に堆肥になる?」に答える展示 "循環実績×処理工程の見える化"
今回は、食品残渣やバガス容器が分解・堆肥化されていく様子を実機で公開し、「本当に処理できるのか」という疑問に応える展示が行われました。
循環モデルの実証事例と処理工程を同時に示すことで、資源循環のイメージが湧きやすい業界初心者にもうれしい内容が印象的です。
食品残渣+バガス容器を同時処理できる“リアルな資源循環”提案
「ヤンマー バイオ式コンポスターYC100」の最大の注目ポイントは、食品残渣だけでなくバガス容器も一緒に処理できるコンポスト装置であること。
コンポスター内部では、独自の微生物と撹拌・細断機構により、野菜くずや食べ残し、さらには環境配慮型容器までを分解・一次処理。
実証試験を経て社会実装された事例として、淡路島の農園とレストランが連携し、
- レストランで出た食品残渣・バガス容器
- コンポスターを使用して堆肥化
- 農地へ還元し野菜を栽培
- その野菜を再びレストランで提供
という循環のサイクルが実際に回っている点が紹介されました。
「本当に分解できるのか?」という顧客の疑問に対し、具体的な実例で説明できる強力な材料となります。
“朝入れたものが数時間後にはここまで”――中身を見せる説得力
「ヤンマー バイオ式コンポスターYC100」は1日最大100kgの食品残渣を処理できる業務用モデル。実際に当日の朝、野菜くずとバガス容器を投入し、数時間後の状態をその場で公開していました。
まだ24時間経過していない段階でも、
- 野菜は原形がほとんど分からない状態
- バガス容器も細かく裁断・分解が進行
しており、「目で見て納得できる」展示内容に。さらに24時間後には、より細かくなり堆肥化が進むことも説明され、処理スピードと安定性の両立が伝わる構成でした。
また、ヤンマーグループが農業分野と深く関わってきた背景から、“堆肥を作って終わり”ではなく、農業資材としての有効性まで検証している点も大きな強み。
土壌改良や保水性向上といった付加価値が農家側から評価されている点は、導入後のストーリーとして非常に提案しやすいポイントです。
7. まとめ:「人手不足・環境配慮時代にどう応えるか──3社の展示から見えた提案の方向性」
今回は、FOODBIZ SUMMIT 2025のシルバーパートナー企業3社のブースの様子をお届けしていきました。
人手不足や環境配慮といった避けて通れない課題に対し、製品単体ではなく「現場全体」で応える提案の方向性は共通していると言えるかもしれません。
今後もそれぞれの企業の展開が楽しみです。
